ビラの文面
6月市議会で中小企業支援を求める質問があった。2名の議員から「資材不足と価格高騰でシンナーが入手困難で2~3か月仕事ができない。新規の仕事が取れない」という市内塗装業者の悲鳴が明らかにされた。市は「事業者から月10件程度の相談がある」と答弁した。アメリカ・イスラエルによるイラン攻撃から半年が経過したが停戦は実現せず、ホルムズ海峡封鎖により原油とナフサ不足が続いていることが原因である。だが政府は深刻な実態から目を背け、根拠のない流通目詰まり説を唱え、停戦に向けた外交的努力はほとんど行っていない。
26年6月市議会で「中小企業支援について」2名の議員が質問を行った。
藤林議員(公明党)は「中東情勢を踏まえた中小企業支援等について」概略次のように述べた。
「中東地域をめぐる情勢は不安定であり、エネルギー資源の多くを海外に依存している我が国においては、原油価格上昇や物流コストの増加、原材料価格高騰が国民生活や企業活動に大きな影響を及ぼしている。本市においても多くの中小企業、小規模事業者が厳しい経営環境に置かれている。製造業や建設業の中小企業の方々と様々話をする機会があり、塗装業の方から、『ラッカー・シンナーとかの溶剤等の入手が困難になっている。入手しようとしても想像以上に高騰していて大変だ』『このままでは2、3か月仕事できない。既存の仕事分しか在庫がないから、新規の仕事が取れない』という声を多く聞いている。市内事業者から昨今のナフサ関連の不足による困難について聞いているか?」
市は「原材料価格高騰やナフサなどの供給不足に対する不安の声は、市内事業者や松原商工会議所等の意見交換などを通じて相談を受けており、月10件程度ある」と答弁した。
野口議員(日本共産党)は「物価高騰から中小事業者への緊急支援を」と次のように中小企業の苦境を述べた。
「アメリカとイスラエルによるイラン攻撃を発端にしたホルムズ海峡封鎖により、中小事業者に深刻な打撃を与えている。小規模事業者は資材が入手できず、休業せざるを得ないと悲鳴が上がっている。塗装業の一人親方はから、『シンナーが3月20日以降手に入らず、ガムテープ・養生テープなどを注文しても、材料屋にない。手持ちの資材で何とか仕事をしてきたが底をついてきた。依頼を受けた仕事をお断りした』との声を聞いた。
シーリング防水業の方は、『3月中旬からシーリング剤が手に入らない。ホームセンターで買うと3割高、シンナーは7割上がっている。さらに資材が高騰し、確保ができなくなると、職人さんに賃金が払えなくなり、廃業せざるを得なくなる』と訴えている。
大阪商工団体連合会が3月から4月にかけて行った影響調査では、ホルムズ海峡封鎖による影響について、『ある』、『今後ありそう』との回答が合わせて9割を超えている。」
国の見解は実態とかけ離れている
政府は「代替調達により原油やナフサは確保している」「目詰まりが起きている」との見解を述べ、不足を一貫して否定してきた。市議会における質問と答弁は、政府見解が実態とかけ離れていることを物語っている。大都市圏に位置する松原市はまだよい方で、地方では様々な業界で必要量の確保ができない深刻な状況にある。
カルビーは、インク不足により5月末からポテトチップスなどのパッケージを白黒にしていたが、一部商品について8月生産分から表側にカラーに戻すという。有名な大企業であってもこれだけの影響を受けているのだから、中小企業が受ける影響の深刻度は容易に想像できる。
アメリカ・イスラエルがイランに奇襲攻撃を行ったのは26年2月28日。戦争開始からすでに半年が経過し、協議は行われたが停戦は実現せず、アメリカの攻撃は、規模は小さくなったが繰り返されている。ホルムズ海峡の実質封鎖は続いている。中東以外の国からの輸入拡大や、別ルートでの移送などの対応が取られている。供給量が少なくなった原油価格は当然高騰する。従来よりも遠回りの航路で運ぶため、さらに価格は高騰する。中東産の原油と他地域の原油とでは質が異なるため、精製の工程は複雑となる。必要量を攻撃開始前の価格で入手できる見通しは全く立たない。
外交的努力はゼロ
原油不足を契機に化石燃料への過度な依存を改めなければならないが、実現には年月を要する。戦闘終結が何よりも望まれる。日本は西側陣営の中では唯一イランと友好的な関係を保って来た。それを活かして仲介の役割を果たすべきだが、高市首相はイラン高官と短い電話会談を行ったに過ぎない。最低でもイランに特使を派遣して本気度を示すべきだ。パキスタンなどの小国が仲介に奔走しているのに、日本は何もやろうとしていない。トランプ大統領に対しては抱きついてご機嫌を取るだけで、毅然と停戦を求めることはできない。外交的努力は全くのゼロであり、外交を行う能力とやる気を疑ってしまう。