ビラの文面(2017年9月～11月配布)
6月市議会で各会派が質問した新図書館建設問題。3億4000万円かけて親水公園とした田井城の今池に建設することの是非、増改築を検討したのか、設計プランは業者への丸投げではないか等、議論は始まったばかり。にもかかわらず、市は早くも施工業者の公募を始めている。市民への説明もなく、なぜそんなに建設を急ぐ必要があるのか?
計画概要
新図書館建設の概要は、松原市の資料によると以下の通りです。
●事業内容(施工業者が行う事業内容)
(１) 測量調査（地盤調査含む）・家屋調査
(２) 基本設計・実施設計業務
(３) 溜池の造成等工事及び建設工事
(４）工事監理業務
● 建設計画地概要
(１) 建設場所 松原市田井城３丁目１０３番１、同１０３番２ （田井城財産区所有溜池）
田井城今池親水公園面積 ６，１３２．４８㎡
田井城今池親水公園内、溜池東側部分を埋め立て建設場所にすること。
(２) 敷地面積については、溜池内約１，８００㎡とする。
(３) 用途地域 近隣商業地域（建ぺい率８０％ 容積率３００％)
(４) (略)
(５) 松原市民体育館に隣接
● 建設スケジュール 2020年(平成３２年)１月 施設開所予定
● 履行期間 契約締結日から2019年(平成３１年)１２月末日まで
● 事業費の提案価格の上限及び下限額は設定しない。
● 新図書館の計画
（１）新図書館の延床面積については、２，８００㎡程度とする。
(２) 一般の開架、閲覧スペース等について、７００㎡以上で８万冊以上とする。
(３) 児童の開架、閲覧スペース等について、６００㎡以上で４万冊以上とする。
（４）閉架冊数は、１８万冊以上とする。
以上は 「松原市公告第59号 平成29年8月3日」より抜粋
議論らしい議論がないまま 計画が進められている
2017年3月の施政方針、6月の所信表明で新図書館建設を発表した。ただし下記のような抽象的な内容である。
新図書館建設につきまして、読書環境の充実を図るため、自習室の設置や閲覧スペースの拡充、IT化の推進、また、快適性を備えたゆったりと滞在できる空間づくりなどにより、子どもから高齢者まで様々な年代の方に利用していただき、利用者の課題を解決する学びの場として、また、余暇を過ごす憩いの場として、何度も足を運びたいと思えるような図書館サービスの提供を目指し、自然と調和した今までにない図書館として、平成31年度中の完成に向けて新図書館の建設を進めてまいります。(17年3月 市議会での市長「施政方針」より抜粋 )
自習室の設置や閲覧スペースの拡充など読書環境の充実を図るとともに、子どもから高齢者まで様々な年代の方に利用していただけるような、今までにない「新図書館の建設」や、新たに「英語圏友好都市との青少年交流」を行ってまいります。(17年6月19日 市議会での市長「所信表明」より抜粋)
17年6月市議会で新図書館の建設理由について、「①施設の老朽化、中央館機能の不十分さへの対応 ②自習室の設置や閲覧スペースの拡充、また乳幼児を連れた家族が利用できるスペースの確保 ③ＩＴ化を推進」と答弁した。だが具体的な内容はあまり示されなかった。
広報8月号には「新図書館建設」記事が掲載されている。記事内容は公募型プロポーザルの実施であり、どのような図書館なのかは記されていない。これは市民向けの説明ではなく、施工業者向けの案内である。
新図書館建設 公募型プロポーザルを実施
市では「挑戦し続ける元気あふれるまち松原」の実現のために、「ひと・ まち・まつばらを育む拠点」として、 松原市新図書館を建設します。
建設にあたり、８月初旬より松原 市新図書館建設事業における設計および施工者選定に係る公募型プロポーザルを実施します。
公募型プロポーザルのスケジュールなどの詳細については 8月初旬頃に市ホー ムページへ掲載します。
▼問合せ 松原図書館
(広報まつばら 2017年8月号より抜粋)
8月3日 市のHPに建設スケジュールと「松原市新図書館建設方針」が掲載された。「建設方針」には、①一般の閲覧スペースは700㎡以上で8万冊以上の開架、児童書の閲覧スペースは600㎡以上で4万冊以上の開架 ②敷地面積1,800㎡以内、延べ床面積2,800㎡程度 ③「おはなしの部屋」「自習スペース」「パソコンコーナー」「視聴覚スペース」等の設置が示されている。6月市議会の答弁よりは具体的な内容ではあるが、何階建てとするのか、部屋・スペースの面積・利用人数は書かれていない。
スケジュールは、①プロポーザルへの参加申請 9/14～9/22 ②プレゼン 11月下旬～ ③審査結果発表 12月中旬～下旬 ④平成31年中の完成、等が示された。あまりにも急ピッチのスケジュールであり、完成時期から逆算してスケジュールを設定しているのではないか?
プロポーザル参加業者はすでに8月に現地調査を行い、「実施要領」等の資料を受け取って設計準備を始めている。市民の声を反映させるという姿勢はこれっぽっちも感じられない。
9月市議会の質問は9月15日と19日であり、その前日から業者の参加申請が始まることになる。6月市議会では具体的な内容は示されていなかった。9月市議会での議論が計画に反映される保証がない。市民のための図書館建設でありながら、市民も議会も不在のまま進行している。
市民よりも施工業者へ詳しい説明
プロポーザル参加希望業者には8月3日～8月25日に「実施要領」「要求水準書」等が配布された。要求水準書は、「設計・施工事業者に対し、市が要求する内容及び質を満たすべき水準を示すもの」と位置づけられた文書で、A4用紙30ページからなる。(市HPでは公開されておらず、情報公開請求で入手した) この文書には、各部屋について面積や何を設置するか等、「建設方針」よりもかなり詳しく書かれている。なぜ業者には提供するのに、市民には公開しないのか?
「要求水準書」には建設に関する様々なことがかなり詳細に書かれているので、新図書館が何階建てとなるのかは自然とわかるはずなのに、なぜか階数は指定されていない。同様に事業費の算出は可能と思われるのに、提案価格に上限額と下限額を設定しないとしている。
この点を疑問に思ったのであろうか、業者から「目標コストの設定はされていますか」との質問があり、市は「設定はしていません」と回答している(「質問事項と回答について」№3)。コストがどんなに高くついてもよいのか?
適正な価格を示すことができない特別な理由があるのか?
「プロポーザルの選定基準」には、審査における評価項目の点数について、分類ごとの構成割合が次のように示されている。
業務遂行能力 10%
業務全体に対する姿勢・意気込み 5%
設計業務 30%
施工業務 20%
その他 5%
価格 20%
プレゼンテーション 10%
価格を点数で評価するということは、たとえば「適正価格は10点、適正価格との差額によって10点から減点する」と決めているはず。提案価格の上限額と下限額は設定できるはずである。
増改築の検討は行ったか?
建設場所を田井城今池親水公園とした理由として、6月市議会では以下の3点を答弁している。
① 市の中心に位置していること。
② まつばらテラス、体育館、文化会館、中央公園などの施設が集まっているところで、相互の利用者の相乗効果が期待できること。
③ 現・松原図書館のところに新たに建設する場合、工事期間中、図書館が利用できなくなること。
2013年(H25年)5月の「松原市図書館適正配置等検討委員会答申」には「中央館機能の充実」として3項目があげられ、「これらの実現には松原図書館の大規模な増改築や新たな中央館建設といった抜本的な方策が必要」と記されている。二つの選択肢があげられている。
だが、大規模な増改築と新たな中央館建設とを比較検討したかについては、明快な答弁はなかった。答申に記された課題を解決するためには新図書館建設の方が有効であろうし、現・松原図書館とは別の場所に建設すれば工事期間中の問題は確かに解決できる。しかしコストの問題がある。大規模増改築では課題のすべてを解決できないかもしれないが、より少ない費用でできるはずであり、差額分を別の施策に使うことができる。
また、今池親水公園は3億4000万円もの多額の費用を使って整備したものである。このことは今後、今池の上には建物を作らないことを意味していたはずである。親水公園を造成して新図書館を建設することは、3億4000万円のうちのかなりの金額を無駄遣いにさせることとなる。「親水公園の機能を活かしながら図書館を作る」という答弁は詭弁である。
新図書館建設と増改築とを比較・検討してそれぞれのメリット・デメリットを明らかにすること、また親水公園整備と新図書館建設に整合性はあるのか、矛盾していないかを明らかにすることが必要である。
もめごとに警察が関心
「新図書館建設に関してもめごとがあり、そのことに大阪府警の贈収賄事件等を担当する部署が関心を寄せている」との信頼できる複数の情報がある。警察がこのような事情を知っているということは、図書館建設の関係者が内部告発(リーク)したことが推測される。増改築ではなく新たな建設であること、また建設場所が地上ではなく、ため池の造成地であることが違法行為と関連していると思われる。
もし贈収賄だと仮定すると、新図書館建設により何らかの不当な利益を得られる人物あるいは団体が、市の職員(建設計画を仕切れるような役職の者)にわいろを贈って建設計画を作らせたという構図が考えられる。このような犯罪行為が行われた、あるいは行われようとしているとすれば断じて許されない。
建設計画の内容と計画作成のプロセスをオープンにし、市民が参加して時間をかけて十分な検討を行い、違法行為とは無縁であることを明らかにすべきである。
各部屋の詳細
「要求水準書」より抜粋
一般開架及び閲覧スペース等
700㎡以上。1階に設けること。書架は8万冊以上。書架は大型、文庫、一般図書と分ける。ヤングアダルトコーナーや新着図書コーナーを設ける。80席程度の閲覧スペースを確保する。
児童開架及び閲覧スペース等
600㎡以上(おはなしの部屋含む)。1階以外のスペースに設けること。書架は4万冊以上。紙芝居書架は1000冊以上。子ども用トイレを設置する。おはなしの部屋の近傍に授乳室を設ける。子ども用の小さな机や椅子を配置する。席数については70席程度を確保する。
おはなしの部屋
40㎡程度。近傍にベビーカーを置けるスペースを設ける。子ども用の椅子を15席以上設ける。
地域資料室
書架は3,000冊程度。
パソコンコーナー等
館内各所にて、利用者が持ち込んだ機器を利用できる環境を整える。図書資料の予約、検索ができるパソコンを設置する。インターネット接続(Wi-Fi)ができる環境を整える。
視聴覚資料スペース
CD 5,000枚 DVD 500枚。
学習室
120㎡程度。最大収容人数が80人以上のスペースとする。机と椅子を配置する。
飲食スペース
5人程度のカウンターテーブルを設けること。
屋外閲覧スペース
親水公園の景観を生かした屋外閲覧スペースを設ける。
障害者サービス等室
30㎡以内。録音室9㎡程度完全防音仕様。
ブラウジングコーナー
50㎡程度。ブラウジングコーナーに見合った書架を設置する。20席以上の席スペースを確保。
予約棚
20㎡程度。2,000冊程度の壁面書架を設置。
新図書館の建設理由
(市議会議事録より引用)
2017年6月26日 代表質問 まつばら未来 山本議員
【壇上での質問】
Q: (まつばら未来 山本議員)
次に、新図書館の建設についてお聞きします。 施政方針の中にも、所信表明の中にも新しい図書館を建設すると書かれていますが、どういう思いで、どういうコンセプトを持って建設に向かっていかれるのかをお聞きしたいと思います。
A: (東野教育長)
次に、新図書館建設のコンセプトについてでございますが、現在の図書館は、蔵書の分散や中央館機能の不十分さ、また施設の老朽化、閲覧スペースの不足に加え、自習室がないなど多くの課題を抱えております。そのような課題に対し、多様化する市民ニーズに対応するため、自習室の設置や閲覧スペースの拡充、また乳幼児を連れた家族が気兼ねなく利用できるスペースを確保し、ＩＴ化を推進するなど、便利で人に優しく、さらに親水公園と調和のとれたゆったりと過ごせる憩いの図書館の建設を考えております。
子どもから高齢者まで広い世代の方に利用していただき、人を育む拠点づくりとして、何度も足を運びたくなる図書館を目指してまいります。
【追加質問】
Q: (山本議員)
図書館建設についてなんですが、今、新図書館を建設というようなことなんですが、どうして新図書館が必要なのでしょうか。どういうふうな考えをお持ちなのか御説明ください。
A:（坂野・市民協働部長）
現在の松原図書館でございますけれども、自習室がないとか閲覧のスペースが狭い、バリアフリーもできていないというような多くの課題を抱えております。また、蔵書が分散しているというような点からも、利用者の方と図書の出会いも制限されているのかなというふうなことも考えているところでございます。
蔵書を集約したり、新たに自習室、それから閲覧室の拡充、バリアフリー化、そういうようなものをしまして、利用者の皆さんがゆったりと過ごしていただける滞在型の図書館、これを目指すためにはやっぱり抜本的な方策というのは必要やというふうに考えています。そういうところから、新しい市民のニーズに応えられるような図書館を新たに建設する必要があるというふうに考えているものでございます。
市民の声を反映した基本計画を
(市議会議事録より引用)
2017年6月27日 代表質問 共産党 野口議員
Q(野口議員)
まず、図書館の新館を建設するということで、私たちは日本のあちこちの新しい図書館を建設されているところの視察にも行きましたけれども、いろいろ資料を寄せさせていただきました。その中で、新館を建設するに当たりまして、まず図書館の建設計画とか、それとか図書館の基本計画とかを本当にどこの市町村でも策定されているんですよ。やはりそのためには市民参加もして、利用する市民の声や意見をしっかり聞いて策定されていることはいろんな資料で読み取りました。
先日、10人の策定委員さんがプロポーザルで決められたということで名簿をいただいたんですけれども、そこに一番利用する市民の声というのがなかなか反映されていないのではないかなと考えます。まず、建設計画とかそれから基本計画とか、そういうものは今どんなふうになっているのでしょうか。
A(坂野市民協働部長）
新図書館につきましては、図書館の適正配置等の委員会の答申を受けまして、それに基づいて先ほど答弁させていただいたような市のコンセプトというのもつくっております。そのコンセプトに基づいて、新しい図書館をプロポーザルという方式で実施しようというようなことを考えておるところでございます。
Q(野口議員)
そしたら、建設計画とか基本計画というのはまだできていないということですか。
A(坂野市民協働部長）
コンセプトというのは持っております。そのコンセプトを今度、業者選定委員会というのがございますが、そちらのほうでまた内容を練っていただいた上でプロポーザルに臨むというようなことを考えております。
Q(野口議員)
そしたら、そのコンセプトの中でやはり新図書館の規模とか内容、いろいろ中の将来的なことも考えて、そういう全てのことがコンセプトの中で示されているんでしょうか。
例えば、建設床面積とか総面積、図書館はどのくらいのところにどのぐらいの面積で建てるのかと、そういうことが一番知りたいんですけれども、それはどうですか。
A(坂野市民協働部長）
面積ということでございますが、地元の町会連合会様とか水利組合様、そういうあたり等とのお話の中で、あの土地の２千㎡以下というようなことで承認をいただいておりますので、それがまずマックスの広さかというふうに思います。その上で、コンセプトとして自習室とか閲覧スペースの拡充とかそういったものを含め、さらに親水公園としての機能を落とさず逆に高めていきたいというふうな考えがあるんですけれども、そういうようなものが一体どのぐらいの規模がいいかというようなことを今現在検討しているということでございます。
Q(野口議員)
そしたら、本当にプロポーザルで全てを設計施工、それからさまざまな例えば閲覧室やとか自習室、カフェとか集会室、今先ほどおっしゃっていたようなもの全てを全部丸投げで、プロポーザルで決めていってしまうということで判断してよろしいんでしょうか。
A(坂野市民協働部長）
丸投げということでは決してございません。私どもと業者選定委員会の中でどういうような部屋が必要かということを精査いたしまして、こういう部屋、こういうような空間、そういうものを提案してほしいというような内容を示していきますので、丸投げというようなことは決してないというふうに考えております。
Q(野口議員)
ぜひ、丸投げではなくて、設計、施工とかそういうことを一つ一つ別々にしないと、全部業者丸投げではきっといいものができないと思いますし、市民の声もそこにはしっかりと入れていっていただきたいと思います。
次に、図書館建設に当たりまして予算とかはまだ決まっていないんですよね。
A(坂野市民協働部長）
予算ということでございますけれども、建設の費用等も含めてプロポーザルで求めていきたいと今考えております。それが出てきた段階でまた予算を計上させていただいて、議会で御審議いただくというふうに考えております。
Q(野口議員)
そしたら、今、部長が全てプロポーザルで丸投げではないですよとおっしゃったのに、予算を決めて、今の言い方では全てプロポーザルでやってしまうというふうに私たちはとれるんですけれども、どうですか。
A（東野教育長）
先ほどから部長が説明しておるわけですが、必要なものについてはちゃんときっちりと出していく。例えば、先ほどから言っておりますように授乳室であるとかお話の場所であるとか、しかし、それをどの程度の大きさにするのか、また人の憩いをするためにはどういう導線がいいのかというのは、それはやはり民間の方々のアイデアをいただくという形で今回そういうプロポーザルを考えているのであって、真っ白なものをはいどうぞというわけではございません。あくまでも、本市が必要となるようなものはどうなのか、その基準はどうなのかを今この委員会で決めて、そういう形の中でプロポーザルをしていこうということでございますので、よろしくお願いいたします。
Q(野口議員)
本当に、これからいろいろ検討されていくと思うんですけれども、設計施工全て、中身の問題も含めまして、プロポーザル任せには絶対しないでほしいと思うんです。本当に利用されるのは市民の皆さんですので、そこら辺は市民の皆さんの声もしっかりと聞いていただきたいと思いますし、議会のほうにもそれをちゃんと示していただきたいと思います。
いろいろ他市の新図書館の基本計画とかそういうのを読ませていただきましたら、全て市民との協議をしました、市議会にこういうことを示しましたということが基本計画の中にもずっと時系列で載っているんですよ。やはりそういうふうに、市民の使う図書館ですので、そこら辺は市民の要望もしっかりと聞いていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
新図書館を今池親水公園に建設する理由
(市議会議事録より引用)
2017年6月26日 代表質問 まつばら未来 山本議員
Q:(山本議員)
どこに建設するお考えでしょうか。
A:(坂野・市民協働部長)
市民体育館横の田井城今池親水公園の一部を使用して建設を予定しております。
Q:(山本議員)
田井城の今池なんですけれども、そこに決めた理由というのを御説明お願いします。
A:(坂野・市民協働部長)
まず１点目としては、４km四方の市の中心に位置しているということ、それと、２つ目としては、あそこはまつばらテラスを初めとして体育館とか文化会館、それから中央公園などそういうような施設が集まっておるところでございますので、相互の利用者の相乗効果が期待できるという点、それと３つ目といたしましては、今の松原図書館のところに新たに建設するということになると、その間、工事の期間長期にわたって図書館が利用できなくなると、そういうようなことになりますので、そういう主に３つの理由から、今の考えております場所が最もふさわしい場所かというふうに考えたものでございます。
Q:(山本議員)
そういう予定で考えて、今現在おられるというようなことなんですけれども、ここでちょっと言っておきたいのが、今、その親水公園というのか田井城の今池のところだと、ここは以前普通の池やったと思うんです。それを平成14年９月１日から16年の年度末まで２年間かけて、ましてや約３億４千万円のお金をかけて大規模な改修をして親水公園にしたという経過があると思います。さらに、そこの水質をよくするためにライオンズクラブの方々だったと思うんですけれども、いろんな実験とか努力をされて、今は水質もよくなったと聞いています。
(略)
そこを、その上に図書館を建設するということになると、その、本当に松原の市民が憩いとして親しんでいる場所を潰してしまうというような懸念があるんですけれども、そのあたりについて僕の思いは、その親水公園の機能を十二分に生かしながら図書館と一体した形で考えていっていただきたいというふうに思うんですけれども、いかがお考えでしょうか。
A:(坂野・市民協働部長)
あそこの親水公園なんですけれども、あそこを予定しているという理由の一つに、新たに土地を取得する必要がないというようなこともあるんですけれども、今池の親水公園、これは市民の方の大切な場所というような認識はもちろんしております。そこに新しい図書館を建設するということなんですけれども、やっぱり親水公園の機能を低下させるというようなことがないようにしなければならないというふうに考えております。
むしろ逆に、新しい図書館を建てることによって、図書館を利用される皆さんにとってはその池の自然を感じるというんですか、池を感じる、そういうような落ちついた状況での読書ができるとか、あるいは図書館を利用されない方にとっても、親水公園を今まで以上に楽しんでいただけるようなそういった建物にしていきたいというふうに考えております。
2017年6月27日 代表質問 共産党 野口議員
【壇上での質問】
Q(野口議員)
図書館本館の建設についてですが、2011年２月に松原市民図書館協議会で、これからの松原市民図書館のあり方について答申が出され、審議を重ね、新たに松原市図書館適正配置等検討委員会が組織をされ、その２年後の2013年、図書館の適正配置及び規模並びに市民サービスの充実などについてと検討委員会の答申が示されました。図書館の適正配置についてはこの答申に基づき進められていると考えますが、新図書館がなぜ今池親水公園の上に建設されるのか、答申の中で、中央館の充実について、松原市の智の拠点にふさわしい中央館として整備していくには、松原図書館の大規模な増改築や新たな中央館の建設といった抜本的な方策が必要と考えると述べています。大規模な増改築とありますから、委員会でその検討も十分にされたのですか、お聞かせください。
A（東野教育長）
次に、図書館本館建設についてでございますが、現在の松原図書館は施設の老朽化や通路幅が狭く、また乳幼児連れの利用者にとっては授乳室や子ども用トイレがなく、さらに閲覧スペースの不足や自習室がないなど、多くの課題を抱えております。このような課題を解決し、子どもから高齢者までさまざまな年代の方に快適に利用していただけるようサービスを充実させるためには、現在の松原図書館の規模では小さく限界があるため、新図書館の建設を行うものでございます。
新図書館の建設につきましては、親水公園の環境を生かし、自然を感じながらゆったりと滞在できる憩いの図書館を目指してまいります。
【追加質問】
Q(野口議員)
続きまして、図書館の新館の建設に関する問題についてに入っていきたいと思います。
新館を、まず先ほど申し上げましたなぜ今池の親水公園の上に建設されるということで決まったのかということをもう少し詳しく教えていただけますか。
A(坂野市民協働部長）
なぜ今池の親水公園かということでございますが、第一に４km四方の市域のちょうど中心部であるということ、それから周辺にまつばらテラスとかそういう施設がたくさんありまして、それを利用される方との相乗効果を期待できるというようなこと、それと新しく土地を取得するという必要がないこと、あと、現在の松原図書館を建てかえるということになりますと、その工事中、長期間にわたって図書館の利用ができなくなる、そういうようなことから今池親水公園がもっともふさわしい場所というふうに考えたということでございます。
Q(野口議員)
２千㎡とおっしゃいましたけれども、そしたら、今、本館がありますよね。あそこ大体千五、六百㎡ぐらいだったかなと思うんですけれども、先ほど私が壇上で言いましたように、答申の中では大規模な改修も考えるということも書いておられたんですよ。そしたら、その中には新しいところも考えるという２つの方向性を書いておられるんですけれども、平米的には今のところも新しいところも変わらへん。でもやっぱり建てかえるに当たっては、先ほど御答弁いただいたよきに、潰すことによって今の蔵書をどこに置いたらいいんやということも考えなあかんということもありますけれども、やはり図書館建設といったら、あのテラスで10億円でしたね。ですので、図書館というのは特殊な建築やということを建築屋さんに聞いていまして、やはり20億円や30億円、ひょっとしたら40億円ぐらいのお金がかかるかわかれへんということも、建て方によってですよ、言われていることもあるんです。それは土地代は別としてですよ。そういうこともありますので、やはりそこの今ある図書館のリフォームとかそういうところを全く見当もされずに、ただ親水公園のあそこがいいよということで建てるということにされたんですか。
あそこは、池じゃなくて本当に親水公園なんですよ。十数年前に３億４千万円ほどかけてあそこを親水公園にきれいにつくり上げた公園なんです。きのうも山本真吾さんが質問されておられましたけれども、そこの景観をなくしてしまってまであそこに建てる必要があったのかということを私たちはすごく思うんです。そのことによって、本当に今の図書館を潰してしまって、その後何になるかということはわかりませんけれども、私たちは、あそこの面積が狭かったら、今の図書館の後ろ側にあります駐車場になっていますよね。あそこはそもそもあの図書館を建てるときに蔵書としての場所を確保してあったところと私は聞いているんですけれども、分館ができたために本が分館に行ったから、あそこが要らなくなったから今は駐車場になっているということを聞いているんです。
ですので、駐車場がなくなってしまったらその車はまたどこかへ移さなあかんということも聞いていますけれども、やはりあそこの建てかえというか、そこら辺の一度試算を私たちはしていただきたかったということを思うんですが、どうですか。
A(坂野市民協働部長）
すみません、先ほどの私の答弁で一つ訂正させていただきたいんですが、面積とかそういうのを検討しているというふうに申しましたけれども、それはプロポーザルの中で提案を求めるということですので、どういう案が出てくるかということをこちらのほうで審査するというようなことになります。この点訂正させていただきます。
今の図書館を増改築しないのかというようなことでございますけれども、今の図書館も建って37年ほど経過しております。その建物をまた増築とか改築とかいうようなことをしますと、部分部分で耐用年数であるとかそういうのも変わってきますし、どうしても一体的なものじゃなくてつぎはぎというような建物になろうかと思います。そうなると、我々が思っている自習室であるとか閲覧のスペースとか、そういう新しい市民さんからのニーズに応えるということにはもう全てが不十分な、使い勝手の悪いようなものにならざるを得ないというふうに考えておりまして、松原図書館の増改築につきまして今後長きにわたって市民の方に愛される図書館を目指すに当たっては、考えていないということでございます。
Q(野口議員)
内容的にはよくわかるんですけれども、きのうの山本真吾さんの御答弁の中で、50年の耐用年数があるということを言われていたと思うんです。その中で三十六、七年たっているからということを言われていましたけれども、今の建築というのはかなり高度な建築内容になっておりまして、例えば中之島の中央公会堂がいろいろリフォームされました。そのときでも、あれはかなり古い建物なんですよ。あれは図書館とちょっと趣が違うかわかりませんけれども、あそこでも古きを残して立派に建てかえられて、それは長い、１年以上かもうちょっとかかったかわかりませんけれども、時間がかかりましたけれども、やはりあれでも、かなり古い建築物でもしっかりと残して立派なものに建てかえられているんです。
ですので、やはりそこら辺も検討を、耐用年数がないから、じゃ潰しましょうというのじゃなくて、本当に私たちは公園を潰してまでそういうふうにつくる、景観をなくしてしまうということにはすごく懸念を覚えますし、そこら辺はやはりもっと試算をしていただきたかったと思うんです。まだ建築は始まっておりませんので、これからでも十分検討していただけるんではないかと思いますけれども、どうでしょうか。
A(坂野市民協働部長）
耐用年数が少ないからだめだというよりは、今の建物を増改築することでつぎはぎだらけになると。それから、部屋のレイアウトにつきましても今の建物の一定の制限がかかってまいります。２階部分も、今集会室とかがあるんですけれども、その部分も閲覧室にしようと思うと本もまた上げなあかん、それに耐用できるような強度をまた保たなあかんというようなことにもなります。
なので、使いやすいものにしたい、できるだけ閲覧室を広くゆったりとした空間をつくりたいということになりましたら、やはり一から設計を引くというようなことが有効であるなというふうに考えております。