ビラの文面(2019年9月～20年4月配布)
“厚い志で改革する!”と訴え2018年9月の市議選で初当選した議員が、当選からわずか7か月後にしでかした、とんでもない行為。
市議会は9月18日、「予算等の議案の採決を行う重要な日に、正当な理由なく会議を欠席した」「公認をした大阪維新の会の公党としての責任も重大である」との、田中議員に対する問責決議を採択した。
経過(新聞報道より)
● 今年3月26日、田中厚志市議(元大阪維新の会)が体調不良を理由に議会を欠席しながら、妻と沖縄旅行。
●投書を受けて会派幹事長が確認し、市議は旅行の事実を認めた。
●取材に「認識が甘かった。ばれなければよいと思った。」と認める。
●維新は除名処分。
2019年9月18日、田中議員に対する問責決議案(議会議案)が採択された。
田中厚志議員に対する問責決議
市議会議員は市民から負託された市民の代表であり、憲法第１５条において全体 の奉仕者とされているように、その職責として住民福祉の向上と市政の発展に寄与することが求められている。このことを強く認識した上で、常に市民の声、地域の意見等を傾聴し、尊重しつつ、市議会の構成員として責任のある行動をとる中で、 市民が疑惑や不信を抱くような行為を断じて慎むことにより、公務に対する市民の信頼を確保しなければならない。 また、議会は審議をするところであり、議員が会議に出席するのは権利であると 同時に義務である。 しかしながら、田中厚志議員は、本年３月２６日の平成３１年第１回定例会最終日において、当日の朝、体調不良による会議欠席の連絡をしたのにもかかわらず、 夕方の便で私的な旅行をしていた。この日の会議は、予算等の議案の採決を行う重要な日であったが、正当な理由なく会議を欠席したものである。 また、本日の本会議の個人質問において、この件の謝罪を目的としたとしか考えられない１０分に満たない稚拙な質問を行ったことは、戒告に対し何一つ反省も見られず、さらに議会の尊厳を踏みにじる許されない行為である。 さらに、公認をした大阪維新の会の公党としての責任も重大であり、厳しく問うものである。 よって、本市議会は、田中厚志議員に対し、議員としての責務を深く認識し、猛省を促し、議員として当然の倫理観を求めるとともに、その責任を強く問う。 以上のとおり決議する。 令和元年９月 18 日 松 原 市 議 会 |
“厚い志で改革する!”と訴え、2018年9月の市議選で初当選した田中議員。その彼が当選からわずか7か月後にしでかした、とんでもない行為。“厚い志”はいったいどこに消え去ったのか?
とんでもない行為は19年9月10日に報道されたが、その数日前に私に手紙が届いた。差出人は匿名であるが手紙の内容から判断して、大阪維新の会に旅行を告発する投書をした人物にほぼ間違いない。手紙には、差出人が田中議員を追求する様子が生々しく描かれている。手紙の全文は以下の通り。
| 古川 一夫 様 突然のお手紙失礼致します。 早速ではございますが、大阪維新の会の田中厚志議員が、平成３１年３月２６日の本会議最終日を欠席されておりました。 欠席の理由は、本人曰く、【前日から下痢がひどく体調不良の為、朝から奥様に付き添ってもらい羽曳野市の病院へ行ってました。議会事務局へ嫁に電話してもらいました。議会事務局から領収書は置いておくように言われているので、手元に有ります。いつでもお見せします。】 私が、本人へ電話で確認しましたら、このような回答を当初されておったのです。完全におかしいと思いましたので、維新の会の浦野靖人事務所、平野議員、鍋谷議員へ手紙を送りました。維新の会で追及した結果、本人が自白したみたいです。実は、電話をした嫁と沖縄旅行に行っていたということが発覚しました。 これは、大問題ではないでしょうか? このような人が議員をしていて良いのでしょうか? 全くもって議員の資格無しだと思います。 本人は反省の意味を込めて、頭を丸めており、会派を出るみたいですが、これだけで済まされるようなことでしょうか? 今や、松原市議会の全議員がこのことを知りながら、市議会もこのままで済ませてしまうのでしょうか? 辞職以外の選択があるのでしょうか? どうか古川様のお力を持って、制裁していただけないでしょうか? どうぞ宜しくお願い致します。 田中厚志議員の資格は全く無し！！ |
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ウソが発覚したのは なぜ?
手紙の差出人はどのようにして、欠席理由の嘘を見破ったのか? 手紙には、いつ、だれから情報を入手したのかが書かれていないので、想像するしかないのだが…。可能性が高いのは3月26日に旅行に出かける姿を誰かに目撃され、そのうわさが広まり、差出人の耳に入ったことである。
選挙では候補者は顔と名前を売り込む。議員になって半年であっても市民に顔を知られている。3月26日午後に田中議員を見かけても、「議会開会中のはずなのに、なぜ町中にいるのか?」といぶかる一般市民は少ないかもしれない。だが、職務で移動中の市職員が目撃すれば、すぐにおかしいと気がつく。議会開会中だと知っている市民の場合も同様である。
議員は取材を受けて「認識が甘かった」と答えている。これは議会に対する認識を言っているのだが、議員は市民から注目され、いつも見られているという認識も甘かったのだ。「ばれなければいいと思った」とも答えているが、注目されているため一般市民と比べて、ウソをつくと、簡単にばれてしまう確率はかなり高いのである。
議員就任半年余の時期なら、通常なら緊張感をもって臨むはずなのに、「ばれなければいい」という心理状態に陥るのは、あまりにも非常識で信じがたいほどだ。
議会出席は最重要義務
田中議員が欠席した3月26日は、当初予算案などを議決する本会議最終日で、1年のうちでもっとも重要な日である。議員にとって議会に出席することは最優先すべき義務である。その義務と議会を軽んじていることは許されないことだ。議員は取材に対し「議会が午前中だと勘違いした」と弁解している。議会は通常、午前10時から始まるが、閉会日は午後1時開始である。だが、当選後3回目の議会であり、勘違いはあり得ない。本当に勘違いしていたとするなら、職務への責任感がまったくないと言える。
また「議会が午後だとわかって悩んだ」とも弁解している。議会か旅行かと悩むこと自体がおかしい。2者択一という問題ではない。議員には市民の代表として議会に出席することが義務である。
「ばれなければいいと思ってしまった」と正直に告白しているが、これは論外である。会社員が会社をずる休みするのと同じ感覚で、議会を欠席するのは言語道断である。
経過(新聞報道より)
大阪府松原市の田中厚志市議(42歳)(1期目、大阪維新の会)が、今年3月、市議会の本会議を体調不良を理由に欠席しながら、妻と沖縄を旅行していた。田中市議は昨年9月に初当選。田中市議や議会関係者によると、欠席したのは3月26日で、当初予算案などを議決する閉会日だった。3月26日午前9時頃、田中市議は妻を通じ、維新市議団の平野良子幹事長に「体調が悪く、本日の本会議を欠席する。家で養生する」と連絡。午後1時からの本会議に出ず、午後4時ごろの便で関西国際空港から沖縄へ2泊3日の旅行に出かけた。
7月中旬ごろ、所属会派の維新などに旅行を告発する投書が届き、8月、平野幹事長が確認したところ、田中市議が旅行の事実を認めた。
田中市議は議会にうそをついて旅行していたことを議長らに報告。篠本議長は8月29日付で戒告処分とした。
取材に対し田中議員は「認識が甘かった。ばれなければいいと思ってしまった。市民を裏切る行為で反省している」と話し、「議会が午前中だと勘違いし、午後から沖縄に向かう計画だった。議会が午後だとわかって悩んだが、そのまま出てしまった」と説明する。また「体調が悪かったのは事実だ。病院にも行ったが、薬を飲んで昼頃には治まった」と釈明する。
9月11日、維新は田中市議を除名処分にした。