6月18日の市議会で、共産党の山本議員が戦争法案(安保法案)について質問を行った。市長は「国会で審議中なので」と答弁し、法案への態度を明らかにしなかった。傍聴していた私は当然、追加質問をすると思っていた。ところが議員は「時間が限られているので」という理由で法案についての質問は省略し、他の三つの項目の質問に移った。

私はあっけにとられた。壇上での最初の質問で約10分を消費し、追加質問時間は20分間残っている。4項目の質問中、最初の項目である法案から追加質問を始めるのが普通である。時間が足りなくなって最後の項目を十分質問できないことはありうる話だ。私は何度も議会傍聴しているが、最初から「追加質問しません」と議員が発言するのは初めて聞いた。

戦争法案が可決されると、自衛隊が海外に派遣され、他国軍と一体となって戦闘行為や後方支援を行うことになる。その結果、自衛隊員が死傷する、海外にいる民間の日本人が狙われる、自衛隊への補給物資を積みだす民間空港・港湾(関西空港や北港・南港を使用する可能性もある)が襲撃を受けるというリスクが生まれる。被害を受ける方の中には松原市民や松原市出身者も含まれるだろう。

「非核平和都市宣言」をしている松原市、「安全安心のまちづくり」を基本施策の一つとしている松原市として戦争法案をどう考えるのか、という質問など、質問の仕方はいくつもあったはずである。追加質問を行っていれば、「憲法の理念は守られるべきと考えます」、あるいは「慎重に審議すべきと考えます」という答弁を引き出せた可能性がある。共産党議員の怠慢が、沢井市長の逃げの答弁=「国会で審議中なので」を許したのである。